「洋服の青山 やばい」という検索候補を見て、購入や就職を迷っている人は少なくありません。大量閉店のニュースや、店舗での接客に関する口コミが断片的に広がっていることが背景にあります。
結論から言うと、青山商事は経営が立ち行かないような状態ではなく、直近も黒字予想で営業を続けています。ただし、スーツ市場そのものが縮小しているのは事実で、店舗数の調整や商品構成の変化が「やばい」という印象につながっている、というのが実態に近いところです。
この記事では、決算資料などの公表数字をもとに、やばいと言われる理由と噂の真偽、購入前に知っておきたい注意点を整理します。
洋服の青山が「やばい」と言われる背景
まず押さえておきたいのは、ネット上の「やばい」の多くがコロナ禍の出来事を指しているという点です。当時の印象がそのまま残り、現在の話として語られているケースが目立ちます。
コロナ禍で過去最大の赤字を計上した過去
青山商事の2021年3月期連結決算は、純損益が388億円の赤字となりました。1964年の設立以来で最大の赤字額と報じられ、売上高も前期比25.9%減の1,614億円まで落ち込んでいます。
臨時休業に加え、テレワークの普及によるスーツ離れが重なったことが要因とされています。この時期に不採算店の閉鎖や希望退職の募集が進められ、「洋服の青山はやばい」というイメージが定着しました。
現在の店舗数と業績の実態
では今はどうなのか。2026年3月期第3四半期決算短信(2026年2月13日公表)には、具体的な数字が記載されています。
- 「洋服の青山」の期末店舗数は673店(2025年12月末時点)
- 2025年4月〜12月の出店は5店、閉店は6店と、増減はほぼ均衡
- ビジネスウェア事業の売上高は804億38百万円(前年同期比93.5%)
- グループ連結の通期予想は売上高1,970億円・営業利益140億円と黒字見通し
つまり、かつてのような大量閉店フェーズは落ち着き、現在は年数店舗単位の入れ替えにとどまっています。一方でビジネスウェア事業単体は同四半期で18億5百万円の営業損失となっており、スーツ主体のビジネスが楽ではないことも数字に表れています。
口コミを読むときは、その情報が何年の話かを必ず確認してください。2020〜2022年ごろの閉店・リストラ情報と、直近の決算数字ではまったく状況が違います。青山商事は上場企業なので、公式サイトのIRページで最新の決算短信を誰でも無料で確認できます。
洋服の青山がやめとけと言われる主な理由
経営面とは別に、買い物体験に関する不満も「やばい」と言われる理由になっています。口コミで繰り返し挙がるのは次の3点です。
接客・セット販売の勧めが強いという声
もっとも多いのが、スーツ本体に加えてシャツ・ネクタイ・靴などをまとめて勧められるという指摘です。2着目割引やセット割引が価格体系に組み込まれているため、店員が案内するのは自然なことでもあります。
ただ、必要最小限で買いたい人にとっては圧に感じられます。来店時に「今日はジャケットだけ見たい」と最初に伝えておくと、接客のトーンはかなり変わります。
価格帯による品質差が大きい
「生地が安っぽい」という口コミと「値段の割に十分」という口コミが同居しているのは、扱う価格帯の幅が広いためです。実際、決算資料ではメンズスーツの平均販売単価が36,180円(前年同期比104.3%)と公表されています。
この平均を大きく下回る低価格ラインを選べば、生地や縫製の質が価格なりになるのは避けられません。2025年11月からは新規顧客向けの低価格シリーズ「みんなのスーツ」の販売も始まっており、価格帯の選択肢はさらに広がっています。
セールが常態化しているという不信感
年間を通して何らかのセールをしている点に、「定価に意味があるのか」という疑問を持つ人もいます。フレッシャーズ向け商戦や季節ごとの値引きが定期的に組まれているためです。
定価で買う機会が少ないこと自体は消費者にとって不利ではありませんが、「閉店セール」と銘打った販促には違和感を覚える人もいます。価格の納得感を重視するなら、複数店舗やオンラインストアの実売価格を見比べてから決めるのが無難です。
スーツの購入着数はグループ全体で減少傾向にある一方、平均単価は前年を上回っています。安いものだけが売れているわけではないため、予算を伝えたうえで「その価格帯で一番評価の高いもの」を尋ねる買い方が、失敗を減らす近道です。
「100円ショップ化」など噂の真偽
ネットで見かける噂の中には、事実の一部だけが切り取られているものもあります。代表的な2つを整理します。
100円ショップ併設の実態
「洋服の青山が100円ショップ化している」という話の出どころは、同社グループの雑貨販売事業です。青山商事はグループ内に雑貨販売事業を持ち、2025年11月末時点で100店舗を運営しています。
スーツ店舗の一部スペースを雑貨売場として活用する動きは、空いた床面積を収益化する施策です。スーツ需要が縮小するなかでの事業多角化であり、スーツ事業からの撤退を意味するものではありません。
社名の「青山」つながりによる誤解
もう一つは、「青山」という名前を共有する別の人物・団体の話が混同されるケースです。過去の事件報道などで同姓の人物が話題になった際、無関係の企業名が検索で並んでしまうことがあります。
この種の風評は企業の経営実態とは何の関係もありません。検索結果を見るときは、企業の公式発表や報道機関の記事に当たって切り分けることが重要です。
噂の真偽を確かめたいときは、企業名+「決算短信」または「ニュースリリース」で検索するのが最短です。上場企業は業績も店舗数も四半期ごとに開示する義務があるため、掲示板やまとめ記事よりはるかに正確な情報が手に入ります。
購入前に知っておきたい注意点と比較の視点
やばいかどうかより、自分の目的に合うかどうかのほうが重要です。他チェーンと比較する際の観点を挙げます。
総額で比較する必要性
スーツは本体価格だけでは比較できません。裾上げやウエスト直しといったお直し代、シャツやネクタイの同時購入分まで含めた総額で見る必要があります。
店頭表示が安くても、必要な直しやオプションを足すと他店と変わらないケースもあります。逆に、割引条件を満たせる買い方なら表示価格より安く収まることもあるため、先に予算と必要点数を決めておくと判断しやすくなります。
カード・会員特典の扱い
同社は自社カード事業を持ち、2025年11月末時点でAOYAMAカードの有効会員数は379万人にのぼります。継続的に利用するなら割引メリットがありますが、年に一度しか買わない人には年会費や管理の手間が上回ることもあります。
店頭で加入を勧められた場合は、その場で決めずに条件を持ち帰るのが安全です。割引率と年会費、次回いつ買う予定かを並べて比べれば、必要性はすぐ判断できます。
2025年10月からはネットと店舗の在庫を連携させるシステムが全店に導入されています。店頭に希望のサイズが無くても他店やオンラインの在庫から取り寄せられる可能性があるため、「在庫が無い」と言われた時点で諦めず、取り寄せ可否を確認してみてください。
洋服の青山が向いている人の特徴
悪い評判ばかりが目につきますが、条件が合う人にとっては合理的な選択肢です。どんな人に向くのかを整理します。
実店舗で試着と採寸をしたい人
673店という店舗網は、現在の紳士服チェーンとしては国内最大級です。近隣で実物を試着でき、サイズ直しから後日の相談まで対面で完結できる点は、ネット専業ブランドにはない強みといえます。
体型が標準サイズから外れている人や、初めてスーツを買う人ほど、採寸してもらえる価値は大きくなります。
冠婚葬祭やフレッシャーズなど急ぎの需要がある人
礼服や新社会人向けのセット商品は品揃えが厚く、急に必要になった場面でも当日中に一式そろえやすい構成になっています。お直しの即日対応を行う店舗もあります。
「とにかく明日必要」という状況では、在庫と店舗数の多さがそのまま利点になります。デザイン性や素材にこだわりたい場合は、オーダーや専門店と比較したうえで選ぶとよいでしょう。
礼服は着用頻度が低く、10年単位で使うことになります。体型変化に備えてウエストのアジャスター機能があるモデルを選んでおくと、買い替えのタイミングを先送りできます。急ぎで選ぶときほど、この一点だけは確認しておく価値があります。
まとめ
洋服の青山が「やばい」と言われる背景の多くは、2021年3月期に388億円の赤字を出したコロナ禍の記憶と、店頭での販売スタイルに対する好みの差です。直近の決算では店舗数は673店で増減がほぼ均衡し、グループ全体では黒字予想が維持されています。
一方で、ビジネスウェア事業が四半期ベースで営業損失を計上しているのも事実で、スーツ市場の縮小という構造的な課題は続いています。経営が危ういかどうかは、掲示板の書き込みではなく四半期ごとの開示資料で確かめるのが確実です。
買い物の観点では、価格帯によって品質が大きく変わる点と、総額で比較する必要がある点を押さえておけば、大きな失敗は避けられます。試着と採寸を対面で済ませたい人、急ぎで一式そろえたい人にとっては、今も有力な選択肢のひとつです。
